72時間の備えに足りないもの:電波がないときに家族と連絡を取る方法

Nelos Guides · 2026年10月

72時間の備えのリストは、ニュースを聞く助けにはなりますが、携帯電話網が止まったときに家族へメッセージを送る助けにはなりません。このガイドでは、その穴をNelosで埋める方法と、先に知っておくべき限界を紹介します。

2025年3月26日、欧州委員会はPreparedness Union戦略を公表しました。その中には、すべての家庭が少なくとも72時間分の必需品を備えておくべきだという助言があります。例として挙げられているのは、食料、水、懐中電灯、モバイルバッテリー、ラジオ、現金、薬です。多くの国が独自のガイドを出しており、たとえばフィンランドもそのひとつです。

リストにあるラジオは、公式の発表を聞くためのものです。停電のときに多くの人がいちばん心配すること、つまり学校にいる子どもは無事か、街の反対側に住む両親はどうしているか、みんなでどこに集まるのか、という問いには答えてくれません。

NelosはEUと関係がなく、EUの支援も受けていません。この戦略に触れるのは、ヨーロッパの多くの家庭が72時間の備えを用意するきっかけになっているからです。

停電のとき、携帯電話網はどのくらいもつのか

たいていは数時間です。基地局は予備バッテリーで動きますが、電気が戻る前にバッテリーが切れてしまいます。2025年4月28日のスペインとポルトガルの大停電は、それをはっきり示しました。

  • ポルトガルでは停電が10時間近く続きました。現地の4G/5G基地局の予備バッテリーがもつのは2〜8時間だけでした。
  • 通信量は通常と比べてポルトガルで約90%、スペインで約80%減りました。数時間後には途中のネットワークノードの予備電源も尽き、ネットワークはさらに弱くなりました。
  • WhatsAppやTelegramは使い物になりませんでした。Xataka Androidの編集者は、その日は家族がどこにいて無事なのかを知ることができなかったと書いています。

教訓は、電波がなくなってから連絡手段を探しても遅いということです。代わりの手段は、前もって用意し、設定し、試しておく必要があります。

電波がないときの連絡手段

すべてをこなせる機器はありません。現実的なのは組み合わせることです。公式のニュースを聞くFMラジオと、家族の中でメッセージをやり取りする手段を用意しましょう。

手段 用途 連絡できる相手 主な限界
電池式のFMラジオ公式の発表を聞く聞くだけで、話すことはできない家族と連絡を取れない
PMR446トランシーバー声で話す同じチャンネルで、届く範囲にいる人全員が同時に聞いている必要がある。地図がなく、メッセージは残らない
Bluetooth/Wi-Fiのメッセージアプリ(Briar、Bridgefy)スマートフォンだけでメッセージを送るすぐ近くにいる人届く範囲が短く、別の地区よりも同じ建物内向き
LoRa無線機 + Nelosグループでのメッセージ、オフライン地図上の位置、助けを求めるチームのメンバー(届く範囲内、またはリピーター経由)一人一台の無線機が必要。届く範囲は地形とリピーター次第
衛星通信端末地域の外へのメッセージ、救助要請(SOS)救助機関を含む誰でも通信プランが必要。空が見える必要がある。継続的なグループチャットには不向き

トランシーバーとLoRaは補い合います。今すぐ話したいときはトランシーバーが速く、LoRaはそのときスマートフォンを手にしていない人のためにメッセージを残しておけます。LoRaメッシュとトランシーバーの比較とLoRaメッシュと衛星通信端末の比較もご覧ください。

電波がないときにNelosでできること

Nelosは、スマートフォンと小さなLoRa無線機を、基地局もインターネットもサーバーも使わない家族専用の連絡手段に変えます。スマートフォンはBluetoothで無線機につながり、無線機はメッセージと位置をほかの人の無線機に直接送ります。

携帯電話網が止まっても、家族は次のことができます。

  • グループでも個別でもメッセージを送れます。メッセージは保存されるので、そのときスマートフォンを手にしていなかった人も後で読めます。
  • オフライン地図でお互いの位置を確認できます。位置共有をオンにするかどうかは、一人ひとりが自分で選びます。
  • 集合場所をチームのウェイポイントで記録できます。全員の地図に表示されます。
  • チームのメンバーにヘルプ要請を送れます。この通知は112、救助機関、Nelosの運営チームには送られません。

条件がよければ、2台の無線機は直接通信します。通常の無線機はお互いのメッセージを中継しません。もっと遠くへ届けるには、高い場所に置いたリピーターか、中継モードに切り替えた無線機(バッテリーを多く使います)を経由する必要があります。

ヨーロッパのLoRa無線機は868 MHz付近の帯域を使います。購入するときは、ヨーロッパ向けのモデルを選んでください。

無線機がなくても、Nelosではスマートフォンでオフライン地図、移動履歴、個人用ウェイポイントを使えます。メッセージ、チームの作成、位置共有には無線機が必要です。

72時間の備えに加えるもの

加えるのは2つだけです(家族が離れて暮らしているなら3つ)。ただし、携帯電話網が使えるうちに準備しておく必要があります。

  • 一人一台のハンディLoRa無線機。たとえばWio Tracker L1 Proは、MeshCoreがあらかじめ入っていて、BluetoothでNelosにつながり、バッテリーは使い方によって最大約5日もちます。価格はデバイスページでご確認ください。
  • スマートフォン用のモバイルバッテリーと、スマートフォンと無線機の両方のケーブル。バックグラウンドでのNelosのバッテリー消費は、AndroidでもiOSでも1時間あたりわずか1%強です*。
  • 家族が離れて暮らしている場合:屋根の上や高層階のベランダなど、高い場所に置くリピーター。リピーターは停電が起きてからではなく、前もって設置しておく必要があります。

電池式のFMラジオも備えに残しておきましょう。公式の発表を聞く手段になります。

前もってやっておくこと:

  1. 家族全員のスマートフォンにNelosをインストールし、住んでいる地域のオフライン地図をダウンロードします。
  2. それぞれのスマートフォンを自分の無線機につなぎ、家族のチームを作って全員を招待します。
  3. 集合場所をチームのウェイポイントとして地図に記録します。
  4. 一度試します。自宅から学校や職場までメッセージを送り、自分の地域で実際に届く範囲を確かめます。
  5. 72時間の備えを点検するたびに、無線機とモバイルバッテリーも充電します。

* 当社の実地テスト(各端末約18時間、主に移動中、バックグラウンドGPSオン、無線機を接続、5GとBluetoothもオン)では、バックグラウンドでのNelosのバッテリー消費は、Galaxy S25 Ultraで1時間あたり約1.2%、iPhone 13 Proで約1.5%でした。実際の消費は端末、電波状況、設定によって異なります。

停電に備えた家族の連絡計画

機器が役に立つのは、家族全員が何をすべきか分かっているときだけです。前もって決めておいた短い計画のほうが、高価な機器よりも大切です。

  • 無事を知らせる時刻。たとえば朝8時と夜8時に、全員がNelosでチェックインします。チェックインは現在地と短いメッセージを送り、チームの地図に24時間表示され、誰が受け取ったかも分かります。
  • 2か所の集合場所。1か所は自宅の近く、もう1か所は家に戻れない場合に備えて地区の外に決めます。両方をチームのウェイポイントとして保存します。
  • 子どもを誰が迎えに行くか。学校へ子どもを迎えに行く人と、その人が行けない場合に代わる人を書き出しておきます。
  • 地域外の連絡先。別の場所に住む親族を一人決め、電話できる人がその人に連絡します。Nelosがつなぐのは無線の届く範囲にいる人だけで、地域の外にはつながりません。
  • 紙の控え。大切な電話番号、集合場所の住所、無事を知らせる時刻を書いて、72時間の備えと一緒に保管します。

年に一度、計画を試してみましょう。たとえば週末の夜に、モバイルデータとWi-Fiをオフにして、1時間Nelosだけを使います。

知っておくべき限界

Nelosは、電波がないときに家族どうしでメッセージを送り合うための手段であり、救助システムではありません。購入する前に、次の点を理解しておいてください。

  • 112には連絡できません。ヘルプ要請が届くのはチームのメンバーだけで、Nelosの運営チームには届きません。電波がない状況で救助を呼ぶには、衛星通信端末かPLBが必要です。
  • 一人一台の無線機を、前もって設定しておく必要があります。無線機を持っていない人や、チームに参加していない人にはメッセージを送れません。
  • 届く範囲は一定ではありません。建物、丘、アンテナの位置、リピーターのすべてが影響します。リピーターのない都市では、離れた2軒の家どうしが直接つながらないこともあります。
  • 短いメッセージと位置だけです。音声通話も写真の送信もできません。
  • 電気は必要です。スマートフォンにはモバイルバッテリーが必要で、無線機とリピーターも前もって満充電にしておく必要があります。
  • FMラジオの代わりにはなりません。Nelosは行政からの公式発表を受信しません。

衛星通信端末やPLBが必要になるのはどんなときかは、ガイド緊急時と災害時の連絡手段で詳しく説明しています。

よくある質問

Preparedness Unionとは何ですか?

欧州委員会が2025年3月26日に公表した、危機への備えに関する戦略です。その一部として、すべての家庭が少なくとも72時間分の必需品を備えておくよう勧めています。

NelosはEUに推奨されていますか?

いいえ。NelosはEUと関係がなく、公式のリストにも載っていません。Nelosは、72時間の備えに欠けている家族の連絡手段を補う方法のひとつです。

ヨーロッパでLoRa無線機を使うのに免許は必要ですか?

個別の免許は必要ありません。ヨーロッパのLoRa無線機は868 MHz付近の帯域を使います。ヨーロッパ向けのモデルを購入し、地域設定はそのままにしてください。

無線機はいくつ必要ですか?

メッセージを送る必要がある人ごとに1台です。家族が離れて暮らしている場合は、高い場所にリピーターを1台加えてください。

メッセージはどのくらい遠くまで届きますか?

決まった数字はありません。届く範囲は建物、地形、アンテナ、リピーターによって変わるため、携帯電話網が使えるうちに自分の地域で試してください。

Nelosは有料ですか?

Nelosはダウンロードも利用も無料で、アカウントも通信契約も不要です。Nelos Proは任意の買い切り購入です。費用がかかるのは無線機だけです。

Nelosは衛星通信端末や112の代わりになりますか?

いいえ。Nelosはチーム内の連絡専用で、メッセージや通知は112にもNelosの運営チームにも届きません。電波がない状況で救助を呼ぶには、衛星通信端末かPLBを使ってください。

出典

Nelosは独立した製品であり、欧州連合やいかなる公的機関とも提携しておらず、後援や承認も受けていません。この記事は参考情報であり、緊急対応の指針ではありません。現地当局の指示に従ってください。

オフグリッド通信

必要になる前に、家族と連絡を取り合う手段を用意しましょう。

Nelosは、グループのメッセージ、位置共有、オフライン地図を自分たちのLoRaネットワークで使えるようにします - 携帯電波もサーバーもアカウントも不要です。