GPSは携帯電話の電波がなくても使えるか
短い答えは「はい」です。スマートフォンは圏外でもたいてい自分の位置を割り出せます。わかりにくいのは、スマートフォンが正確に位置を把握しているのに、なぜ他の人からは動きが見えなくなるのか、という点です。
短い答え
GPSは地球を回る衛星から信号を受け取ります。通信会社の基地局からでは ありません。だからスマートフォンが携帯電話の電波の届く範囲を離れても、 機内モードにしても、GPS受信機はたいてい自分の位置を割り出せます。空が 「見えて」いる限りは。
多くの人が誤解するのは次の段階です。「スマートフォンが自分の位置を 知っている」ことと「スマートフォンがその位置を誰かに送れる」ことは 別です。前者がGPSで、ネットワークは要りません。後者にはデータの経路が 必要で、その経路こそ電波を失うと消えるものです。
GPSとは実際に何か
GPSはアメリカの衛星測位システムです。今のスマートフォンの多くは、同時に ほかのいくつかのシステム(ロシアのGLONASS、ヨーロッパのGalileo、中国の BeiDou)の信号も拾います。これらをまとめてGNSSと呼びます。この記事では 日常的な意味での「GPS」で十分です。
要点は、スマートフォンの受信機はただ聞いているだけだという ことです。衛星に何も送信せず、どこにも「ログイン」しません。各衛星は 時刻と自分の位置を絶えず放送しています。スマートフォンは複数の衛星の 信号を拾い、信号のわずかな遅れから各衛星までの距離を計算し、そこから 自分の居場所を割り出します。地上の位置には衛星が3つほど、高度にはもう 1つ必要です。
これは一方通行の処理(話すのではなく聞くだけ)なので、モバイルデータを 使わず、SIMも不要で、その地域に基地局があるかどうかにも左右されません。
位置を知ることと、位置を送り出すこと
ここが核心です。地図アプリを開いて、青い点が自分の立っている場所に 落ちるのを見るとき、それはGPSが仕事をしているのであり、携帯電話の 電波がまったくなくても動きます。
しかし、家にいる誰かが位置情報共有アプリを開いてあなたを見るとき、その人 が見ているのは衛星信号ではありません。あなたのスマートフォンが インターネットにアップロードし、相手のスマートフォンがダウンロードした 座標です。そのやり取りには経路が必要です。Life360、探す、Googleマップの 位置情報共有などのアプリでは、その経路はモバイルデータかWi-Fiです。
経路がなければ、座標はスマートフォンの中にとどまります。動くたびに新しい 位置を計算し続けますが、外の誰にも見えません。ガイド Life360は電波がなくても使えるか が、まさにこの状況を掘り下げています。
電波のないさまざまな状況と、それぞれのGPS
機内モード
機内モードは携帯電話、Wi-Fi、Bluetoothの無線をオフにします。GPS受信機は オフにしません。設定で位置情報が有効なままなら、機内モードでも スマートフォンは位置を割り出せます。できないのは、新しい地図の読み込みや、 自分の位置をオンラインに送ることです。言い換えると、機内モードは圏外で 位置情報共有アプリを使う方法ではありません。
山、森、町から遠い道路
こうした場所ではたいてい基地局が届く範囲になく、モバイルデータもWi-Fiも 一緒に落ちます。GPSは地上の設備に依存しないので、スマートフォンは あなたの居場所を把握し続けます。これが「まだ自分の位置を割り出せる」ことと 「まだ連絡できる」ことの差です。この2つは同じ瞬間に失われるわけでは ありません。
屋内、トンネル、狭い峡谷、深い森の樹冠
ここではGPSそのものが苦戦します。受信機は空の衛星を「見る」必要があるから です。コンクリートの壁、屋根、両側の切り立った岩壁、厚い樹冠は信号を さえぎったり散らしたりして、測位を遅く、不正確に、あるいは不可能にします。 これは携帯電話の電波を失うのとは別の問題で、ここでさえぎられているのは 衛星信号そのものです。
GPSの現実的な制約
長く使っていなかった後や、長距離を移動した直後にオンにすると、受信機は 最初の測位に時間がかかることがあります。上空にどの衛星があるかを スキャンし直す必要があるからです。ネットワークにつながっていればこの 手順は速くなります。補助データが衛星のリストを前もってダウンロードする からです。ネットワークがないと遅く、数分かかることもあります。最初の 測位のあとは、たいてい速くなります。
精度について。良い条件(開けた空、開けた場所)では、今のスマートフォンは たいてい数メートル以内で位置を割り出します。高い建物の並ぶ街、森、峡谷 では、信号がスマートフォンに届く前に障害物で反射するため、誤差は かなり大きくなることがあります。位置の点が時々「飛ぶ」ように動いたり、 実際に走っている道路からずれたりするのはこのためです。
地図は別の問題
GPSが完璧に動いていても、座標は、その上に載せる地図がなければ役に立ち ません。事前にダウンロードしていない限り、スマートフォンに森の詳細な 地図はありません。まだ電波があるうちに、旅の地域をダウンロードして、 インターネットなしで見られるようにしておきましょう。Nelosには、まさに このための 世界中のオフライン地図 があります。ただし、それが何であるかははっきりさせておきましょう。 オフライン地図はスマートフォンが手元で表示するもので、何も送受信せず、 誰かに連絡できることを意味しません。
座標を送り出すための別の経路
あなたの問題が、電波がなくてもグループの全員がお互いの位置を見たい、 ということなら、インターネット以外の経路が必要です。無線はその選択肢の 1つです。各自が小さな無線機を持ち、機器どうしが直接やり取りし、GPSが 生む座標が携帯電話網ではなく無線で運ばれます。
LoRaメッシュのシステムはこうして動きます。Nelosはその上で動くアプリです。 各スマートフォンのGPSはこれまで通り座標を割り出し、グループの無線機どうしが まだ届く範囲にある限り、各自の最新の位置がグループのオフライン地図に 表示されます。到達距離は地形によって変わり、これは連続したリアルタイムの 追跡ではありません。ガイド 圏外の登山で連絡を取り合う方法 と 携帯電話の電波なしでメッセージを送る方法 が、ネットワークがないときにデータを動かす方法をさらに詳しく扱います。
まとめ
GPSは携帯電話の電波がなくても、インターネットがなくても使えます。衛星を 聞いているだけだからです。苦戦するのは空がさえぎられたときであって、電波が 落ちたときではありません。電波の届く範囲を離れて失うのは、自分の居場所を 知る力ではなく、それを誰かに送る力と、新しい地図を読み込む力です。そして どちらも前もって備えられます。
よくある質問
GPSにインターネットは必要ですか。
いいえ。衛星信号を受信して位置を計算するだけなら不要です。スマートフォンは 最初の数秒でより速く、またはより正確に測位するためにモバイルデータを使う ことがあります(A-GPSと呼ばれます)が、これは補助であって必須では ありません。
GPSは機内モードでも使えますか。
はい。位置情報がオンのままであれば使えます。機内モードは携帯電話、Wi-Fi、 Bluetoothの無線をオフにしますが、GPS受信機は衛星信号を聞くだけなので 動き続けます。使えなくなるのは、新しい地図の読み込みや、自分の位置を オンラインに送ることです。
GPSが使えているのに地図が読み込まれないのはなぜですか。
地図はスマートフォンがインターネット経由でダウンロードするデータで、GPSが 与えるのは座標だけだからです。データが切れると、スマートフォンは自分の 位置を把握していても、その点のまわりに描くものがありません。事前にその 地域の地図をダウンロードしていない限りは。
GPSにSIMカードは必要ですか。
いいえ。GPS受信機はSIMや通信会社とは無関係に動きます。SIMのない端末でも 位置を割り出せます。SIMが関係するのは、その位置を携帯電話網で外部に送る ときだけです。